コンビニや薬局で手軽に買えるヘアカラー剤
1000円以内で買えるものが多く簡単に染めれるのですが
僕ら理美容師はあまりオススメしていません
その理由を今回お話していこうと思います
1 施術者の違い
家で染めるのとサロンで染める場合の最大の違いは
『誰が』カラーを施術するかという部分です
サロンカラーの場合はもちろん『理美容師』が施術しますが
ホームカラーの場合は『お客様自身』が施術者になります
お客様自身で失敗しないで染めれる設計になっているのがホームカラー剤
対してプロの技術が最大限発揮でき、きれいな仕上がりを
得れる設計になっているのがサロンで使用されるカラー剤になります
2 色数、色調の違い
施術者が違うということはもちろん中身も変わってきます
ホームカラーの場合色数がサロンと比べ圧倒的に少なく
(5~20色)
また失敗しづらいくすみのある色調が多いです
サロンカラーでは非常に多く色数(50~200以上)があり
くすんだ色から鮮やかなものまで幅広く表現できます
3 1剤の違い
まずヘアカラーは1剤と2剤というものを混ぜて使用します
サロンカラーの場合は1剤に揮発しやすいアンモニア水を
使用しているものが多くアルカリ性のアンモニアが残らず
髪に対してのダメージを抑えれますが刺激臭がします
ホームカラーの1剤には刺激臭が嫌われるため
揮発しにくいモノエタノールアミン
というアルカリが多用されます
刺激臭が少ない反面、髪に残留してダメージを与え続けます
4 2剤の違い
2剤は主に髪の毛の色素を抜く脱色の役割をします
そして2剤には濃度の%があり%が大きいほど脱色力が強く
またダメージも大きくなります
日本では2~6%までの2剤があり6%以上は
法律で規制されているため使用できません
サロンでは髪のダメージレベルや染めるポイント、
様々な条件をカウンセリングして濃度の違う2剤を使っていきます
対してホームカラーでは2剤の濃度が6%のものしかないので
すでに痛んでいる部分やカラーしてある部分につけてしまうと
よりダメージが進行していきます
こういった理由で髪には相当なダメージがかかります
ダメージが蓄積していくと傷んでいる部分は
切るしかないということもあります
サロンでは薬の選定、塗り分け、放置時間など
細かく計算して施術しますが
ホームカラー用のカラー剤の設計は
かなりアバウトな作りになっているので
僕自身オススメするには抵抗があります
また、ホームカラーでの失敗をサロンで
直して欲しいというオーダーもたまにきます
この場合サロンですぐ綺麗に染め直せるとは限りません
状態によっては数回染め直さないと戻せないこともあります
安くて手軽に染めれるホームカラーですが
こういったデメリットの部分を
知っておいていただけると僕ら理美容師としても幸いです